子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 強気に出られなかったのはこれまでの関係性もあるし、私自身が買い物を楽しんでいるせいだ。

 保名さんにきれいだと思われたい、という思いを消しきれないのも大きかった。



 外出から帰ると、すっかり夜になっていた。

 結局、さらに服のために一万使ってしまい、一度に大金を使ってしまった罪悪感で胸が痛い。

 弥子はこの十倍は使うつもりだったらしく、自分の方が保名さんの持つすべてをうまく扱えると、私を鼻で笑っていた。

 しきりと『自分が結婚すればよかった』と言っていたのが気にかかる。それに対してなにも言えなかった自分が悲しい。

 初めて自分で買った服を、タグを外してからしばらく眺める。

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