子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「自分が器量よしじゃないって知ってます。だから続けるなら見ないでください。やめてほしくないんです……」

 こんなことまで言って、また彼の機嫌を損ねたらどうしよう。

 でも、言わなければ伝わらない気がして必死に言葉を吐き出した。

「……馬鹿馬鹿しい」

 押し殺した声とともに先ほどより強い力を込められ、抵抗も虚しく顔を見られてしまう。

「誰が言ったか知らないが、おまえはきれいだ」

「え……?」

「こんなこと言わせるな」

 むっとしたように言う保名さんの顔が、ほのかに赤く染まっているように見えるのは気のせいだろうか。

< 174 / 381 >

この作品をシェア

pagetop