子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 言い切る前に保名さんがドアを開けてしまい、慌てて胸元を隠した私と目が合う。

「……全然大丈夫じゃないだろ」

 気まずげに視線を下げながら言った保名さんの手には、朝食が乗ったプレートがあった。

「すみません。服を着てないのを忘れてて……」

「言わなくていい。いろいろ思い出しそうになる」

 その言葉を聞いて、かっと自分の顔が熱くなったのがわかった。

 今、保名さんは無地のシャツとズボンというラフな格好をしているが、私はその下に隠れた彼の引き締まった身体を知っている。

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