子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 お互いの合意の上で愛人を囲いながらも、夫婦を演じ続ける実の両親。

 そして私について嘘を吹き込んだ私の両親と妹。

 人にはふたつの顔があると自身の経験から学んだ彼が、妹の結婚を乗っ取った私の普段の姿を見たところで、その姿こそが真実だと思うとは考えにくい。

「……俺の気が済まない」

 保名さんが心の底から、これまでの自分の言動を悔やんでいるのが伝わる。

 どうすれば彼の心を軽くできるのだろうと考えて、かじったおにぎりを呑み込んだ。

「保名さんは、これから私とどうしたいと思ってるの? 最初に言っていた通り、後継ぎができたら離婚? それとも……まだ妻でいさせてくれる?」

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