子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「そもそも保名さんだってしょうがなかったことでしょ。四人家族のうち、三人が言ってる話を疑うのは無理だよ。だからもう……」

 そこでふと気付いて笑うと、保名さんが驚いたように目を瞬かせた。

「どうして謝るなって言うのかわかった。もういいのにって思うからなんだね」

「わかったなら、もう謝ろうとするなよ。癖なんだろうけど」

「そうだね。家ではいつも謝ってたから……」

「実家での話をしてくれ。食べながらでいいから。本当のことを知りたい」

 保名さんとの間に流れる空気が柔らかくてうれしい。

 自然と頬が緩むのを感じていると、彼もまた困ったように微笑んだ。

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