子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 いろいろあったとしても、私が他に家族と呼べる人は亡くなった母ぐらいしかいない。

 大切な人を喪っているからこそ、今、生きて話せる人たちを大事にしたかった。

 保名さんはそれ以上私に質問せず、自分がいない間に私がどんな生活を送ってきたのかを聞きたがった。

 ひとつひとつ答えていく度、彼が私を理解して、私もまた、彼への理解が深まっていくのがわかる。

 保名さんとの関係が変わりつつあるのを感じ、うれしくなった。

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