子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「ふざけるな、重いだろ。……って言いたいけどな」

 シャツをはだけさせたまま、保名さんは私を軽々と抱き上げた。

 意識がある時に運ばれるなんて初めての経験で、咄嗟に彼の首にしがみつく。

「運んでやる分、ちゃんと付き合えよ」

 明日が休みでよかったという呟きが聞こえたけれど、私は彼の腕の中で、寝坊してもいいという意味だろうかと呑気に考えていた。
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