子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 段を組み、その上に畳が敷いてある。八人掛けの四角いテーブルが四つあり、スペースの中央にある巨大な桜の木を囲んでいた。桜は造花だが、本物の花びらがわざと畳の上に散らされている。

 職人たちが和菓子を作る一角は、そのスペースから少し離れた位置にあった。

 ガラス張りの小屋にも似た調理場の中で、何人もの和菓子職人が手を休めずにせっせとお菓子を作っている。

 私が好きな栗餅や、久黒庵と焼き印が押されたきんつば、上生菓子にわらび餅と種類が豊富だ。

 これまでの久黒庵では考えられなかった生クリームの入った大福も販売が決まっている。

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