子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「最近、通販を始めたんです。お店でしか食べられないものもありますが、通販限定のセットなどもあるんですよ」

「へええ。便利な世の中になったもんだねえ。ありがとう、家で見てみるよ」

 昼を過ぎた頃になると、スタッフたちも慣れたのか随分と人の流動がスムーズになった。

 客の入りは相変わらずだが、やや手持無沙汰になり始める。

 そこにまた、保名さんがやって来た。

「そろそろ休憩を取らないか? ずっと立ちっぱなしで疲れただろ」

「はいっ」

「また敬語に戻ったな」

 楽しそうに笑うと、保名さんは私の手を引いた。

「弁当と蕎麦、どっちがいい?」

「お蕎麦があるの?」

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