子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 せっせと私に食べさせたがるのも、それが理由だったのかもしれない。

 手を引かれて歩いていた時よりも恥ずかしい気持ちになりながら、冷たい蕎麦をすする。

 保名さんは自分でも素直に言いすぎたと思ったらしく、しばらく目を合わせてくれなかった。



 イベントは大成功に終わった。

 閉場した後、関係者だけのパーティーが開かれ、私と保名さんも参加する。

 以前とは違い、保名さんはずっと私の側にいてくれた。

 前回はひたすらに心細かったけれど、今日はむしろ安心していられる。

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