子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 彼がこんなにわかりやすい感情を顔に出すのは、照れた時くらいだ。

「さすがにまだどっちなのかはわからないんだよな?」

「それはもっと後になると思うよ?」

「そうか、楽しみだな。名前……も性別がわかってから考えた方がいいか……」

 浮足立っている保名さんを見るのは初めてで、夫婦になってから一年経つのにまだ知らない顔があるのかと感動する。

「お義父さんたちにも報告した方がいいよね」

「別にいいんじゃないか。俺たちの子どもがあのふたりに影響されるのはごめんだ」

 私が保名さんの両親に会ったのは、今日までに三回しかない。

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