子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 彼らは息子の結婚相手が誰だろうと特に気にしておらず、そもそも結婚式当日に花嫁が入れ替わったという異常事態にも気付いていなかった。

 保名さんも過去の件があって私と会わせたがらなかったため、ほぼ没交渉になっている。

 それでいて仕事では普通にやり取りしている辺り、彼の『昔は思うところがあったが、今はあまり気にしていない』という言葉に嘘はないらしい。

 当然と言えば当然だが、私も実の両親とはあのイベント以来会っていない。

 風の噂では弥子に婿入りしようとした男が多額の借金持ちで、勝手に商品の着物を持ち出し売りさばこうとしたとのことだ。今は裁判で揉めている最中だという。

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