子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 家族の祝い事だというのに、私はいつも通り蚊帳の外だった。

 父と母が新婚生活を語る弥子の話を楽しげに聞き、私はそれを廊下から羨ましく思いながら見つめる。

 昔からずっと変わらない。私はあの三人の家族ではないということなのだろう。

 妹の結婚を素直に喜べないような姉だと、両親は気付いているのかもしれない。

 一度だけ、父に注意をされた。

 弥子の結婚式を台無しにするような真似はするなというひと言は、祝福できない私の心の内を見透かされたようでつらかった。

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