子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 参列しなくていいとまで言われたけれど、それは葛木家にとって不安が残るだろう。家族の結婚式に参加しないような人間がいるなど、宝来家に悪い印象を与えるのは間違いない。

 そこまで思われているのだな、と少し寂しくなってしまった。

 いっそ本当にふたりの結婚を呪えてしまえれば、もう少し楽に息ができたかもしれないのに、初めて好きになった人と妹には幸せになってほしいと願う気持ちを消しきれない。

 やがて着々と準備が進み、あっという間に半年が過ぎた。

 今日はついに式の当日だ。弥子は保名さんと誓いのキスを交わし、その足で役所へ向かうのだろう。

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