子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 せっかくなら我が家からとっておきの和装を用意するという話も出ていたけれど、弥子たっての希望で洋風の式になっていた。

 私に見せたくはなかったのか、弥子がどんなドレスを着るのか教えられていない。でもきっと、姉の私から見ても美人の彼女には似合うものに違いなかった。

 この半年、結局慣れることがなかった胸の痛みを抱えて式に向かう支度をする。

 着物で行きたかったけれど、必要以上に目立つなと両親に止められてしまった。

 結婚式には保名さんの友人や仕事の関係者も多く来る。そこで男漁りでもされてはたまらないというのが母の言い分だ。

< 33 / 381 >

この作品をシェア

pagetop