子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 生まれて初めて家族に頼ってもらえた。内容がとんでもないものだとしても、私にとっては大きすぎるお願いだ。

「本当に……私が琴葉の代わりに結婚するんですか?」

 もし、お願いを聞いたら三人に家族として認めてもらえるだろうか。

 淡い期待と同時に、『私が保名さんと結婚できる』という浅ましい考えが浮かんでしまった。

 私はいつから、こんなに醜いことを願うような人間になったのだろう。

 膝に置いた手のひらを握り締めると、いつの間にか指先まで冷たく強張っていた。

「……私が結婚すれば、みんな幸せになれるんですよね」

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