子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
「ご両親からも弥子さんからも謝罪された。おまえはなんとも思わないのか? 自分が結婚できればいいとでも?」

「……そんなふうに思っていません」

 三人が既にそれを事実として伝えてしまったのなら、私が真実を伝えても意味がない。

 彼らは徹底して弥子を守ることにしたのだ。本当は恋い慕う相手がいるのに、結婚を承諾したなどと思われないために。

 だったら私も両親たちと同じように弥子の体面を守るべきだろう。もともと、彼女の幸せのための結婚なのだから。

「妹から婚約者を奪いたくなった理由は? 葛木の名前が欲しかったのか? 残念だが、おまえが好きにできる金は一円もないからな」

「お金なんて……」
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