子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 たとえ好意的なものではなくても、ずっと好きだった人に見られているというのは落ち着かない。

 もしかしたら初めての料理を上手だと褒めてくれるかもしれない。おいしいと言ってくれるかもしれない。

 そんな淡い期待を抱きながら、自分のイメージする料理を作っていく。

 やがてできあがった料理をダイニングのテーブルに並べた。

 保名さんの反応が気になり、テーブルの横に立って待っていると、なにをしているんだとでも言いたげな目で見上げられる。

「自分の分は?」

「一緒に食べてもいいんですか?」

 私の食事は家の全員が食べ終わってから許される。

< 64 / 381 >

この作品をシェア

pagetop