子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
『琴葉の新婚生活がうまくいくように手伝ってあげるって言ってるの。来ないなら協力してあげないし、一生保名さんに求めてもらえないままだよ。いいの?』

 気付けば、自分の胸元をきつく握り締めていた。

 保名さんは私に義務以上のものを求めないだろう。でも、もし努力によってそれが変わったら?

 料理の件で一度失敗しているのに、彼に認められたいと思う気持ちを抑えられなかった。

 だって私は、保名さんが好きだ。

 ほんの少しでも好意的な感情を向けられたいと願わずにはいられない。

 つらい日々は罰なのだから、甘んじて受け入れるべきだと思っている。

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