子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 でも、彼との結婚を望んでしまった時と同じように、甘い誘惑に手を伸ばしてしまう自分も存在していた。

 私と違って恋愛経験のある弥子になら、いろいろと聞けるのかもしれない。どうすれば夫婦生活が好転するのか、保名さんに振り向いてもらえるのか。

 切ない胸の痛みを抱いたまま、私は絞り出すように言った。

 「……どこに行けば、いいですか」



 結婚してから初めて外へ出た。

 本当は保名さんに連絡をしたかったけれど、手段がないため諦めた。

「それじゃ、行こっか」

 弥子はわざわざ私の最寄り駅まで来てくれた。

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