子作り政略婚のはずが、冷徹御曹司は蕩ける愛欲を注ぎ込む
 今までつらい思いをたくさんさせられてきたというのに、彼女のそんな気遣いをうれしく思う自分がいる。

 本当はずっと仲良くしてみたかった。普通の姉妹のように話してみたかった。

 今日、それが叶うのかもしれないと思うと、歩く足が自然と弾む。

「普段、どういうお店で服を買ってるんですか?」

「え、普通の。あんまりブランドにこだわりはないかなー。気に入ったのがあるなら、なんでもいい」

「そういうものなんですね」

 彼女が気に入らなくなった服は私に下げ渡される。

 サイズが合わず、特に胸の部分がいつもきつかったが、彼女のおさがりがなければ私の服はない。

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