元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
急に出てきたアリスの名前に私は、未だにルーナと部屋の入口に佇む彼女を見た。
話題に上がったアリスの顔は、血の気が引いたように青ざめている。
「アリス…どういうこと?」
できる限り、いつも通り彼女に言葉をかけてみるも、
「…も、申し訳ありませんでした…私が手紙を隠していたのは事実…でございます」
と、小さな身体を震わせ、顔面蒼白な彼女は絞り出すように謝罪の言葉を呟くのみ。
それ以上は何も語ろうとしなかった。
「アリスが…まさか、そんな」
隣に控えていたルーナがそう小さく呟いて、目を見開く。
「…リアム様が命じたのですか?」
何に怯えているのか、未だに何も答えようとしないアリスから私は、質問の矛先をリアムにかえた。
「まぁね。ちょっと優しくしてやれば、簡単に頼みを聞いてくれるんだもんね。重宝してたよ、アリス」