元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
先程までの優勢な立場から、どんどん自分が不利になっていくのにようやく気づいたのだろう。
リアムは悔しそうに私を睨みつけた。
そして、徐に立ち上がり、
「…こっちが下手に出ていれば…つけあがって」
と、なんとも悪役らしいセリフを吐き、私に向かって手を振り上げた。
「エレノアお嬢様!」
アリスは、恐怖で身体が動かないのか、ヘタリと膝から崩れ落ちる。
「リアム様、おやめください」
ルーナや近くの執事たちは、彼の暴挙を止めようと走り出すが、私はそれを目で制した。
いいわよ、殴りたきゃ殴りなさい。
一生後悔させてやるんだから
彼の手が振り下ろされる瞬間を確認し、
ギュッと、目をつぶり、痛みに耐える準備をした。