元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています

…こいつ、表情は笑ってるけど目が全く、笑ってねぇ。というか、気配全く感じなかったんだが!?

突然のノエルの登場に、俺は思わず固まってしまう。

まるで、蛇に睨まれた蛙のようにピクリとも動けなかった。


しかし、そんな俺とは対照的に、


「「す、すみませんでした〜!」」


ハリーとマルロは脱兎の如くその場を逃げ出したのだ。
 

…あ、あいつら…、あんなに素早く動けるんだな…。てか、置いてくなよ!


逃げていく二人の後ろ姿を、俺は驚き半分、怒り半分という何とも複雑な気持ちで見つめる。


二人の姿が見えなくなった頃、


「まだ何も言ってないのに、何で逃げるんだろうね…君もそう思わない?」


肩をすくめて、やれやれと言った感じでノエルは俺に声をかけてきた。


「はは……まぁ、そうかもしれないですけど…」


言葉にはしてなくても、確実に態度で示してたからな。

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