元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
「人待ってるって、友達とか?それならお友達も一緒でも全然問題ないしさ」
「そうそう!友達の分まで奢っちゃうし!ね、いこいこ!」
グイッ
「え、ちょっと…」
若干、無理やり手を掴まれ、軽く引っ張られた。
流石に不味いと感じ、慌てて手を振り払おうとした時。
「…へぇ。奢ってくれるんだ??優しいね君たち。でもさ、誘う相手は選ぼうね…手、離してくれる?」
男二人の背後から聞こえてきた声は低くて、思わず私がビクッと反応してしまう。
それは彼らも同じだったようで、恐る恐る振り返った二人組はノエルを見て、固まっている。
しかし、次の瞬間には、
「す、すみませんでした!!!」
と、私の手を離し脱兎の如く逃げて行ったのだ。
男二人の後ろにいた私は、その時のノエルの表情まではわからなかったけれど、彼らの反応からなんとなく想像はつく。
…ノエルって普段優しいけれど、怒ると怖いのよね。
走り去っていく彼らに同情しつつ、
「…ノエル、ありがとう。まさかこんなところで声かけてくる人がいるなんて思わなかったわ。びっくりしちゃった」
ノエルにそう声をかけた。