元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
リアムの顔からどんどん血の気が引いていくのがわかる。
コックス公爵も、そんな彼の後ろで小さく肩を落としていた。
…全く何を期待していたんだか。
そんな二人とは対象的に、
よくやった!と言わんばかりのドヤ顔を浮かべる父親に思わず笑いそうになってしまう。
すると、
「エレノア」
私とリアムのやり取りを傍観していたノエルが私の名前を呼び、立ち上がった。
急に名前を呼ばれ、私は少し驚く。
「…ノエル様…こちらに戻っているのは知りませんでしたわ。お久しぶりです」
「あぁ。今日帰ってきたばかりで…よければ少し2人で話せないか?」
「…わかりました、お父様。私、ノエル様とちょっとお庭で話をして来ます」
「…あぁ、わかった」
お父様の了承も得たので、私はノエルと共に応接間を出ていく。
向かったのは、ビクター家ご自慢の庭園。
この時間帯は人気もなく、話をするのは最適だ。