元婚約者の弟から求婚されて非常に困っています
こちらにどうぞと、言われて断れるはずもなく、
私は公爵の方へと歩みを進める。
途中で、
「まぁ。ビクター令嬢よ。確かリアム様と婚約破棄をなさってすぐに弟のノエル様とのご婚約が決まったとか?」
「今朝の新聞でしょう?私も見ましたわ。何でもノエル様の片思いだったとか……?でも、どこまで本当なのでしょうね?タイミングを考えてもおかしくありません?」
なんて、見知ったご令嬢達の嫌味を受けつつも笑顔を崩さない私。
悪いけどこの程度の噂で怯む私じゃないわ。
逆に、ヒソヒソと話す令嬢達に視線で一瞥をくれてやる。
言いたいことあるならはっきり言いなさいよね。
ビクッ
「…い、行きましょう」
私のそんな対応に怖気づいたのかサッとその場を離れていく令嬢達。
全く、そんな風に逃げるのなら最初から人に聞こえるように話さなければいいのに。