月下の少女

みんなの会話を第三者視点で眺めているうちに顔の火照りは完全に冷めた。


良かった…。


まさか昇さんがあんな質問をしてくるとは…。


少しの間、悶々とそんなことを考えていたが、時間は進んでいく。


顔を洗い終えた雪也さんの顔は若干眠たさを残しているものの、スッキリした表情に変わっていた。


「街に巡回に出ている部隊にもそろそろ戻ってくるよう伝えておいた。大蛇が関東連合に恨みを持って仕掛けてくるとすれば間違いなくここになる。全員、気を抜くなよ。」


瑞希さんの言葉を聞き、再度時計に目を向けると、時計は9月6日0:00を示していた。


日の出時間は5:17


タイムリミットは約5時間…。



幹部達と私は立ち上がり、倉庫の中心に向かった。


幹部室を出ると、更にピリついた空気が漂う。


メンバー全員が気を張り巡らせ、アリ一匹も見落とさないという気迫だ。


「聞け!9月6日。今日は予告の日だ。何が起こるのか誰にも想像はできない。何も起きない可能性もある。俺が伝えたいのはただ一つ。誰も死なせるな!全力で仲間と自分を守れ!」


「「「はい!!!!」」」


統率力。


彼にはその言葉がピッタリだ。


死ぬかもしれない場にいる人たちとは思えないほど、みんなの目は怯えも曇りもない。


みんな強い眼差しだ。


組織のリーダーを中心にみんながここまでの組織にしたんだろう。


こんなにすごい組織だったんだ。


今、この瞬間を目の当たりにして私は武者震いのような感覚に陥った。


このメンバーならやれる。


そう確信した。


仲間っていいな…。


頼もしいの一言に限る。



私は一人倉庫の隅の方に移動し、その場を眺めていた。


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