追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「何よ。料理だけが取り柄みたいな言い方して」
「だって、当たってるだろ」
「……」
投げ返す言葉を探していたプリシラだったが、これといって良い反論が浮かばず八つ当たりするようにライ麦パンにかぶりついた。
ルルがいう通り、プリシラが子供の頃から唯一「特技」と呼べるものが料理──それも、普通の料理ではない魔獣ジビエ料理なのだ。
プリシラの家系「マロンドウィッチ家」は代々シュラウベの森で獣を狩る「狩り人」を生業としていたのだが、プリシラはこれまで狩りらしい狩りをしたことがない。
なにせ彼女は「超」が付くほどの運動音痴で不器用なのだ。
弓を使えば危うく自分の足に風穴を開けかけてしまったし、仕掛け罠を使えば誤って自分が吊り上げられてしまう始末だった。
そんなプリシラがひとりで生きてこられたのは、いなくなった母親から教えられた「魔獣ジビエ料理」と、大精霊ルルに与えられた「加護」のおかげにほかならない。
「で、でも、プリシラちゃんの取り柄は料理だけってわけじゃないよ」
不貞腐れ始めたプリシラを見て、慌ててクロエがフォローを入れる。
「だって、当たってるだろ」
「……」
投げ返す言葉を探していたプリシラだったが、これといって良い反論が浮かばず八つ当たりするようにライ麦パンにかぶりついた。
ルルがいう通り、プリシラが子供の頃から唯一「特技」と呼べるものが料理──それも、普通の料理ではない魔獣ジビエ料理なのだ。
プリシラの家系「マロンドウィッチ家」は代々シュラウベの森で獣を狩る「狩り人」を生業としていたのだが、プリシラはこれまで狩りらしい狩りをしたことがない。
なにせ彼女は「超」が付くほどの運動音痴で不器用なのだ。
弓を使えば危うく自分の足に風穴を開けかけてしまったし、仕掛け罠を使えば誤って自分が吊り上げられてしまう始末だった。
そんなプリシラがひとりで生きてこられたのは、いなくなった母親から教えられた「魔獣ジビエ料理」と、大精霊ルルに与えられた「加護」のおかげにほかならない。
「で、でも、プリシラちゃんの取り柄は料理だけってわけじゃないよ」
不貞腐れ始めたプリシラを見て、慌ててクロエがフォローを入れる。