追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 クロエの悲鳴を引き連れて、プリシラは最前列にいたダイアウルフの体に飛び込んだ。

 ふわふわの体毛がクッションになり、着地の衝撃を相殺する。

 ──それで全ては終わりだった。

 牙を剥き出して威嚇していたダイアウルフが、まる長年離れ離れになっていた飼い主に再会した子犬のように嬉しそうに尻尾をブンブンと振りはじめた。

「よしよし、良い子だね」

 プリシラは背中から顔の近くまでよじ登り、両手を使って顔を撫ではじめた。

 ダイアウルフが嬉しそうにゴロンと寝転がり、危うく下敷きになりかけたが腹側に飛び移って難を逃れた。

「あららら? お腹をなでなでして欲しいの?」 

 ニンマリとだらしなく頬を緩めたプリシラが、今度はお腹をわしわしと撫でる。背中の毛よりも柔らかくてふわふわで、思わず顔を埋めてしまった。

 それを見て、周囲で警戒していた他のダイアウルフたちが恐る恐る近づいてきた。プリシラはクンクンと匂いを嗅ぎに来た狼から触れていき、次々と魅了状態にさせていく。 

「……し、死ぬかと思った」

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