追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 だが、プリシラは自信たっぷりに答えた。

 プリシラは以前に狩り人だった父親から狼の特性について聞かされていた。

 狼の群れは順位制によって成り立っている。

 狩りにおいて順位が下の狼ほど獲物から遠くなり、順位が高ければ獲物に近くなる。立場が上の狼が優先的に獲物を食べるためだ。

 つまり、正面の「囮役」ではなく後方にいる「狩り役」の中で、獲物に一番近い狼がリーダーということになる。

「群れの後方に向かって走って!」  

 テイムしたダイアウルフを走らせる。即座に反転し、後方に向かってジャンプした。

 そのとき、攻撃を察知した後方のダイアウルフたちが一斉にプリシラに向けて吠えた。

 空気の渦がプリシラを襲う。ダイアウルフの聴覚魔法だ。当たれば致命傷は避けられない危険な魔法──

 だが、テイムしたダイアウルフが空中で身を捻り、彼らの攻撃を回避した。

「よしっ、あの子ねっ!」

 プリシラが一匹のダイアウルフに狙いを定め、空へと飛んだ。

 彼女の背中に捕まっていた、クロエと共に。

「う……わぁぁああぁあぁぁ」 

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