追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「……? そうですか! それは良かったです!」 

 パナムは一瞬ためらったあとで笑顔を返す。どうやら「モフる」を狩り人か何かの専門用語だと勘違いしたらしい。

「……あれ? それって何ですか?」

 パナムがテーブルの上に置かれていた鈍く光を放つ鉱石に気づいた。クロエがそのひとつを手に取り、難しい表情を浮かべている。

「ダイアウルフがくれた鉱石よ」

 ため息まじりでプリシラが答える。 

「いわゆる『贈り物』ってわけ」

「贈り物? 魔獣がですか?」

「そ。ダイアウルフって、順従の証として贈り物をすることがあるの」

「へえ! そうなんですね!」

 テイムしたダイアウルフは一旦森に返したのだが、そのときにこの鉱石と彼らが狩った獲物を贈ってくれたのだ。獲物は借りた倉庫で血抜きをしている。

「でも、魔獣がどうして鉱石を?」

「彼らは魔力を体内に蓄えるために鉱石を食べることがあるの。鉱石には微量に魔力が宿っているものがあってね。それを食べて体内に魔力を蓄積しているってわけ」  

「なるほど……というか、プリシラ様って本当に物知りなんですね!」 

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