追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
 まるで長年連れ添ってきたかのようなダイアウルフたちの従順さに、それ以上村人たちもパナムの父親も意を唱えることはできないようだった。

  

  ◆◇◆

 

 プリシラたちがオレガノ村に戻ってきたのは、正午を知らせる教会の六時課の鐘が鳴った頃だった。

 収穫期で忙しいはずなのに、酒場には多くの村人が包帯などの医療品を準備して集まっていた。どうやら村長が作業を午前で切り上げさせ、プリシラたちを出迎えるよう指示を出したらしい。

 待っていた村長は感謝の言葉を送り、相応の謝礼金を支払うと申し出たが、プリシラが受け取ったのは感謝の言葉だけだった。プリシラは金をもらって魔獣を狩る「冒険者」ではないし、そもそもダイアウルフを討伐したわけではないのだ。

 それに──相応の謝礼はすでにダイアウルフからもらっている。

「プリシラ様!」

 テーブル席で休憩していたプリシラの名を呼ぶ声があった。

 プリシラに村人の救出を依頼したパナムだ。

「一度ならず二度も助けていただいて、本当にありがとうございました!」

「気にしないで。あたしも十分モフらせてもらったから」

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