追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「そ、そんなことはないわよ。あたしの父親が狩り人だったから少し詳しいだけだから」

 といいつつ、まんざらでもなさそうに頬を緩めてしまうプリシラ。

「おい、鼻の下伸びてんぞ」

「……うるさい」  

 耳元で囁いてきたルルを叱咤したあと、プリシラは咳払いを挟んで続ける。

「そんなことよりもパナム、怪我をした人たちの容体はどう?」

「私が森で採ってきたタイムを使って応急処置をしていますが、あまり良い状況とは言えないですね」

 香草のタイム。パナムが森で採っていた香草だろう。

「教会の司祭様は処置をしてくれないの?」

「実は村を離れているんです。本当なら今日戻ってくる予定だったのですが、街道封鎖の影響でいつ戻られるのか……」

 窓の外を見るパナムの視線の先には、聖道神ムハウを信仰する「聖道信徒教会」の立派な教会があった。 

 聖道信徒教会の司祭はムハウの教えを説く一方で、信徒に対して魔法を使った医療行為を行っている。その司教が村にいないとなれば彼が戻るまで応急処置で対処することになるが、早くしっかりとした治療を施さなければ手遅れになる。

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