追放されたチート魔導師ですが、気ままに生きるのでほっといてください
「わかったわ。あたしがなんとかする」

 プリシラが仕方ないと言いたげにため息を漏らして席を立った。

「……え? プリシラ様が?」

「ええ。ちょっと酒場の調理場を貸してくれないかしら?」     

「それは構いませんが……調理場で何をするつもりですか?」

「何って、調理場でやるのはひとつしかないでしょ?」 

 そう言って、プリシラはパナムに向かってウインクをした。

 

  ◆◇◆   



「な、なんですか、これは」

「ハーピー肉のローストよ」

 怪我人が寝かされている酒場の一室にプリシラが運んできたのは、魔獣のハーピーの肉を蒸し焼きにした魔獣のジビエ料理だった。

 このハーピーはダイアウルフからもらったものだ。血抜きが終わり、下処理をすませたハーピーのもも肉を贅沢に使って調理した。

 調理法はハーピー肉の両面に塩と胡椒をふりかけ、火の上でじっくり焼くだけという至ってシンプルなものだが、その味は貴族が食べる宮廷料理に匹敵する。

 ハーピーは鳥類の魔獣だが、他の鳥肉と比べると非常に脂分が多い。

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