眼力 ~Cruzar Another story 1/5~
何か理由があるのか?


「それにしても、能力があるのに何故使わなかったんでしょうね?制約でしょうか?
一度使うと暫く使えないとか、使うためには何か必要とか?」

「制約があったとして、その対策はしてくるだろう。」

「じゃあ、何か予期せぬ事態があって能力が使えなかったとか?」

「その可能性は低いな。同時多発的に発生した無差別殺傷事件の犯人の凶器は全員サバイバルナイフだった。揃えてくるあたり、初めから能力を使うつもりはなかったんだろう。」

「彼女の能力なら、力を使った方が多くの人を殺せたでしょうね。それに、あの目を引く見ためなら、目を合わせるのも簡単だったでしょうに。」


「大塚さん、調べてきましたよ。」

ドアが開いて入ってきたのは高木だった。

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