LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
「お母さん、そういう事だから、私はもうお金は返済しないから」
「この恩知らず!
さっさと離婚して、家に戻って来なさい!
その根性叩き直してやるから!」
そう言って、私の髪を掴もうと伸ばした母親の腕を、斗希が掴んだ。
「これ以上話が拗れるようなら、
家庭裁判所に親族関係調節調停を申し立てます。
その娘に対する金銭の要求もそうですけど、
長年に渡るその虐待もそうです。
その場で、一度、じっくりと話し合いましょう」
「虐待って?」
その言葉に、母親は不思議そうな顔を浮かべている。
「自覚がないのですか?
あなたがやっている事は、娘である結衣さんに対する虐待でしょう」
斗希は、母親を掴むその手を離し、スーツのポケットから、ICレコーダーを取り出した。
そして、
「先程からの会話を録音しました。これを証拠の一つとして出して、
俺も、証言します。
先程の、目の前で行われた結衣さんに対する暴力もそうですし、
離婚の強要。
そして、散々結衣さんを侮辱した。
目に余る程の、親としてあるまじき行為」
「 もういい!
さっさとあなた達帰りなさい!」
「帰ろう、結衣」
そう斗希に手を握られて、
驚いてしまう。
結婚している私達だけど、今まで手すら触れた事がなかったので。
「もし、また結衣に何か要求するなら、
つきまとい禁止仮り処分命令の申し立てを行うので。
では」
斗希は笑顔で母親にそう言うと、
そのまま私を連れて居間を出る。
私はチラリと最後に母親を見たが、
悔しそうに肩を震わせていた。
その姿を見て、心の何処かでスカッとする気持ちがないわけではないけど。
なんとも言えない消失感が胸を巣くう。
その失ったのものは、母親に愛されたいと思う私の期待や願望だろう。
これで、もうそんな日は絶対に来ないと。
「この恩知らず!
さっさと離婚して、家に戻って来なさい!
その根性叩き直してやるから!」
そう言って、私の髪を掴もうと伸ばした母親の腕を、斗希が掴んだ。
「これ以上話が拗れるようなら、
家庭裁判所に親族関係調節調停を申し立てます。
その娘に対する金銭の要求もそうですけど、
長年に渡るその虐待もそうです。
その場で、一度、じっくりと話し合いましょう」
「虐待って?」
その言葉に、母親は不思議そうな顔を浮かべている。
「自覚がないのですか?
あなたがやっている事は、娘である結衣さんに対する虐待でしょう」
斗希は、母親を掴むその手を離し、スーツのポケットから、ICレコーダーを取り出した。
そして、
「先程からの会話を録音しました。これを証拠の一つとして出して、
俺も、証言します。
先程の、目の前で行われた結衣さんに対する暴力もそうですし、
離婚の強要。
そして、散々結衣さんを侮辱した。
目に余る程の、親としてあるまじき行為」
「 もういい!
さっさとあなた達帰りなさい!」
「帰ろう、結衣」
そう斗希に手を握られて、
驚いてしまう。
結婚している私達だけど、今まで手すら触れた事がなかったので。
「もし、また結衣に何か要求するなら、
つきまとい禁止仮り処分命令の申し立てを行うので。
では」
斗希は笑顔で母親にそう言うと、
そのまま私を連れて居間を出る。
私はチラリと最後に母親を見たが、
悔しそうに肩を震わせていた。
その姿を見て、心の何処かでスカッとする気持ちがないわけではないけど。
なんとも言えない消失感が胸を巣くう。
その失ったのものは、母親に愛されたいと思う私の期待や願望だろう。
これで、もうそんな日は絶対に来ないと。