LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
駅迄の道を、また歩く。
二時間もかけて来たのに、私の実家に滞在したのは僅かな時間。
斗希と私は横に並び歩くが、
行きの道よりも、帰りの今の方がその二人の距離が近いような気がした。
先程、握られた手も、玄関で靴を履く際に離れたけど、
その感触が今も私の手の平に残っている。
「私の事、どうして庇ってくれたの?」
訊ねてみて、先程のあれは、庇ったというより、助けてくれたと言った方が適切かもしれないな、と思う。
斗希は、私を母親から助けてくれた。
「どうして?か…。
どうしてだろう。
自分でもよく分からない」
こちらを見るその斗希の目は、
改めて私の存在を目に映し、
どうしてだろうか?と考えているように見える。
「そう…」
「最初の方は俺も楽しんで見てたんだけど。
結衣の母親の娘に対する憎しみの醜悪さも。
それに怯えている結衣の事も。
他人の不幸って、面白いし」
やはり、この人はちょっと歪んでいる。
「それかな。
結衣は俺にとってもう他人じゃないから、
面白くなかったのかも」
答えにたどり着き、スッキリとした表情を浮かべている。
私はなんだかその斗希の言葉に、ちょっとドキドキとしてしまった。
一応、結婚している私達。
他人では、ない。
二時間もかけて来たのに、私の実家に滞在したのは僅かな時間。
斗希と私は横に並び歩くが、
行きの道よりも、帰りの今の方がその二人の距離が近いような気がした。
先程、握られた手も、玄関で靴を履く際に離れたけど、
その感触が今も私の手の平に残っている。
「私の事、どうして庇ってくれたの?」
訊ねてみて、先程のあれは、庇ったというより、助けてくれたと言った方が適切かもしれないな、と思う。
斗希は、私を母親から助けてくれた。
「どうして?か…。
どうしてだろう。
自分でもよく分からない」
こちらを見るその斗希の目は、
改めて私の存在を目に映し、
どうしてだろうか?と考えているように見える。
「そう…」
「最初の方は俺も楽しんで見てたんだけど。
結衣の母親の娘に対する憎しみの醜悪さも。
それに怯えている結衣の事も。
他人の不幸って、面白いし」
やはり、この人はちょっと歪んでいる。
「それかな。
結衣は俺にとってもう他人じゃないから、
面白くなかったのかも」
答えにたどり着き、スッキリとした表情を浮かべている。
私はなんだかその斗希の言葉に、ちょっとドキドキとしてしまった。
一応、結婚している私達。
他人では、ない。