LOVEREVENGE~エリート弁護士と黒い契約結婚~
高校へと行っても、私の状況は変わらず。


進んだ高校は、自転車で通える距離だからか、
同じ中学出身の子が多かった。


だから、その子達から、私の事は広まっていただろう。


あの子の家は母親がちょっと変だから、関わらない方がいいと。



高校生活は、クラスのみんなが持ってて当たり前のスマホを、
持ってない私は、羨ましく一人眺めているだけで。


その頃の唯一の楽しみは、
帰り道にある大きな図書館で本を借りて読む事だった。


そんな風に過ぎて行くと思っていた高校生活だったけど。


「ねぇ、今日のお昼一緒にお弁当食べない?」


高校三年になり、すぐの頃。


同じクラスの坂本可奈(さかもとかな)が、ポツンと一人寂しく自分の席に座る私にそう声を掛けてくれた。



「えっ」


と、俯いていた顔を上げて見たその可奈は、まるで神様のように神々しい光がさしているように見えた。


それを、仲良くなってから話した時



「それ、大袈裟だって」


そう、笑っていた。




「私の事、聞いてないの?」


その時、私は恐る恐るそう訊いていた。


この子の顔は見た事あるけど、初めて同じクラスになる子だな、と改めて坂本可奈の顔を見ていた。


「知ってる。
母親がちょっとヤバいって。
でも、別に小林さんがヤバいわけじゃないじゃん」


そう笑い飛ばしてくれて、その言葉に心底救われたのを覚えている。




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