8月25日(前編)
お客さんに笑顔で対応している水樹くんにさえも今はムッとしてしまう。

だから声一つかけずに素通りした。


「え、ちょ、紗良ちゃん?」

背中越しに焦った声が聞こえてきたけど知らんぷりだ。

そのまま早足でコンビニから離れた。


お客さんの対応中だった水樹くんは、さすがに追ってくるなんてことはしなかったからホッとする。

はぁ…わたしってこんなに器が小さかったっけ?


水樹くんがモテることなんて重々承知のはずなのに…

どうしてこんなに余裕が持てないんだろう。


こんな自分がつくづく嫌になる。

みんな、どうやって恋や恋愛を楽しんでいるの?


どうしたらわたしは水樹くんに求められるようになるの…?


もう水樹くんがわからないよ…。
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