鬼は妻を狂おしく愛す
【でも、人前でなんて嫌!
二人がいい!雅空の今言ってくれた言葉、信じるから!】
「言ったよな?
拒否権ないって………
それに、俺の美来をあんなに傷つけたコイツが許せない!」

そう言って美来を押し倒し、両手を押さえつけて組み敷いた。

「ンン…ん…んんっ…んーんー」
「キスするだけで、興奮して我慢できねぇ…」
そして雅空はネクタイをシュルッと取り、美来の両手首を一つに縛った。

「ごめんね…すぐに、気持ちよくしてあげるよ?」
口唇をなぞりながら囁いた。

そして素早く、シャツを脱いだ。
背中の“鬼”が妖子を睨みつける。

美来の服も少し乱暴に脱がせ、美来の首や鎖骨、胸に舌を這わせながら、妖子に言った。

「妖子、俺が抱きたい女は世界で美来だけだ。
熱い舌を這わせたいのも、優しい手を滑らせたいのも、美来の身体だけ。
慈しむように愛したいのも、美来だけだ!
俺を見くびるな!!!
さぁ…どうする?
このまま、続き見る?」
最後振り返り、背中の鬼と同じように睨みつけながら言った。
「いえ、帰ります!
帰らせて下さい!!」
そう言って、部屋を出ようとする妖子。

「あ、言っとくが!
お前…もう、命ねぇから…!!!」
そう妖子の背中に向かって言い、スマホを取り犬飼に電話をかけた。

「犬飼、後から行くから頼む」

そして美来に向き直り、ネクタイを外した。
「美来、もうここには俺と二人きりだから思う存分愛し合おう。
いっぱい愛させて!
俺の狂おしい愛情、受け止めて!!」
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