天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「ありがとうございます。俊弥、後の処理頼んで言いか?」
「ああ、当直だからやっておく。早く行け」
ぶっきらぼうだが優しいその言い方は、やっぱり龍一郎さんに似ている。そう思いながら私は二人を見守っていた。
「またお詫びは改めて伺います。もちろんお支払いも必要ありませんので」
その言葉に、苦笑しつつ私は望月先生を見送った。
「行かせて頂きありがとうございました」
今まで表情を崩していなかった早乙女先生だったが、申し訳なさそうに私に頭を下げた。
「いえ、仲がよろしいんですね」
私のセリフに少し笑顔を浮かべると、私の足に視線を向けた。
「誰かに送らせますので、少しお待ちいただけますか?」
その提案に私は忙しそうな早乙女先生にも大丈夫と伝え、私は待合室で龍一郎さんに連絡だけはしようかと思案する。
仕事をしていたら迷惑になってしまうが、もしかして帰ってきているかもしれない。
一応緊急事態だし、許されるだろうと私は少し躊躇しつつスマホをタップする。