天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

もう寝てしまおう。そう思いノロノロと痛い足にビニールを巻き、なんとかシャワーを浴びてベッドへと向かう。
ドサッと何も考えたくなくて、身を投げるもいつもの龍一郎さんの香りに包まれ私は慌てて起き上がった。

今日はここでは眠りたくない。そんな気持ちが沸き上がり、私はベッドから立ち上がると、おもいきり痛めた足に体重をかけてしまいバランスを崩した。

「痛っ」
その反動で龍一郎さんのデスクにぶつかり、引き出しが音を立てて飛び出る。

もう散々だ。ぶつけたことで今度は手が痛いし、怪我をした足も痛いし、龍一郎さんは訳が分からないし。
涙がボロボロと零れ落ちるも、落ちたものを拾うために私はしゃがみこんだ。

デスクの下に転がってしまったものに手を伸ばして、それを手のひらに収めて息を吐く。
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