天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
私と母親に押され、やけになった龍一郎さんは本当にただのきまぐれだったのだ。
「なんだ……」
涙がとめどなく溢れて止まらなくなるのも、それすらどうでもよくて私はその指輪をただ眺めていた。
私は一生もらえないもの。それを送ろうとしていた人がいたなんて。
本当の龍一郎さんを知っている人がいる。それだけで胸が痛いほど締め付けられる。
「足より痛いや……」
そう思いながら、私は引き出しから飛び散ってしまった箱にそれを戻す。
そこでまたもや衝撃的な物を目にする。
「これも嘘だったの……」
もはや笑うしかなくて、自嘲気味な笑みが浮かぶ。