天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
返事ができず黙っている俺に、祥吾は小さく呟くように語りだした。
「でも、本当に初めてだったんだよ。一緒にいたい。守りたい。ずっとそばにいて欲しい。そんな気持ちになったの」
「そっか」
珍しく肯定した俺に、祥吾が驚いたように俺を見た。
「龍、何かあった?」
さすが長年の付き合いだ、すぐに俺の変化を感じ取ったようで祥吾が口を開く。
「え? 俺のことはまた今度でいいよ」
今こんな大変な男に俺の話をするべきではない。そう思っているも、祥吾は俺をせかすように俺に言葉を浴びせる。
「なんだよ、あんなに結婚だの愛だの否定していたお前がそのセリフを言わないなんておかしい。隠し事はないだろ? 俺のことは気にするなよ」
そこまで言われて、何も言わずにいることもできなくて、端的に言葉を発した。
「今、部下と一緒に暮らしてる」
「は?」
言っている意味が解らないようで、祥吾が唖然とした表情で俺をみた。