天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「このまま佐知と別れたら、また佐知は家に帰らないんだろ。それならこのまま俺は佐知をさらっていく」
言っていることがまったく支離滅裂だ。そして何が言いたいのか全く分からい。
「だって、私がいたら迷惑なのは龍一郎さんでしょ? どうして私をさらうのよ」
そう言っているうちに、見慣れた龍一郎さんの車の前で車いすが止まり、龍一郎さんは前へと来るとしゃがみ込んで私を見上げた。
「そんなことない」
「だって、好きな人がいるんでしょ? 婚姻届だってだしてなかった」
昨日の気持ちがよみがえり、私はぶわっと涙が瞳に溜まる。