天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

「仕事はめちゃめちゃ急いでやったし、引き継ぎもきちんとしてきた」

「どういう意味ですか?」
訳が分からなくて、私が問いかければ龍一郎さんは真顔で答える。

「俺は有休も取ったことがない」

「だから?」
確かにいつも有休消化をしろと言われていた龍一郎さんを思い出す。

「佐知の看病のために有休をとった」
「え!」
あまりにも意外なセリフに私は想像より大きな声が出てしまう。

「そんな、大丈夫ですよ」
仕事の鬼の冷徹上司が私の為に休みを取るなど想像ができない。
そんな思いで龍一郎さんを見ていれば、私の目の前に来ると、ソファーではなくラグの腕で膝立ちになり、私と視線を同じにする。
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