天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

真正面から見つめられ、その瞳にこれから何を言われるのかとドキッとしてしまう。

「佐知、何からはなせばいいのか……」
かなり悩んでいる様子の龍一郎さんに、私は一番気になっていることを口にする。

「じゃあ、一つ聞いてもいいですか?」
「ああ」
すべて答えてくれそうな真剣な瞳に、私は覚悟を決めると口を開く。

「私の無茶苦茶な計画に付き合ってくれたのは、忘れられない人がいたからじゃないんですか?」

「意味が解らないが、そんな人はいない。初めて人を愛しい大切にしたい、一緒にいたい、そう思ったのは佐知が初めてだ」

その臆面もなく口にされた甘い言葉に、私は羞恥からまともに龍一郎さんを見られなくなる。
「俺を見て」
そんな私の顎をクイっと掬い上げると、龍一郎さんは私と視線を合わせる。
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