天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~

「どうしてそんなことを聞くんだ?」

「あの、出されていない婚姻届と一緒に、指輪を見つけてしまって……。あっ、足が痛くて転んでたまたまです。それに俺を頼れって電話でも言ってたし」

矢継ぎ早に言った私に、龍一郎さんの空気が一瞬冷たくなった。やはり見てしまったことに怒っているのだろうか。不安になっている私に、思いがけないセリフを口にする。

「大丈夫だったのか?」

「何がですか?」
その意味が解らなくて問いかければ、龍一郎さんは私の足に視線を向ける。

「転んだって、その時けがは?」
まさか引き出しの中を見てしまったことを怒ったのかと思ったが、転んだ私の心配をしたなんて。
全く想像をしなかった言葉にクスリと笑ってしまう。

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