天敵御曹司は純真秘書に独占欲を刻み込む~一夜からはじまる契約結婚~
「三洋カンパニーは知ってるよな?」
「え? 三洋?」
三洋と言えば日本でも有数の自動車メーカーであり、日本の大企業だ。誰でも知っている名前に驚きを隠せない。
「その社長が俺の実の父親だ」
愛妻家でも有名でよく経済紙に夫婦で載っているのを見たことがあるその人が、まさか龍一郎さんの父親だなんて。その事実に私はどう答えていいかわからず黙り込む。
「あんないかにも善良な人間に愛人や、隠し子がいたら一大スキャンダルだろ?」
嘲笑うように言った龍一郎さんに、決して良好な親子関係ではないと理解する。
「会ったりはしているんですか?」
言葉を選びつつ静かに尋ねれば、彼は即座に否定した。